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日本語教師として2

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自分の人生は行き先不明の航海のようだ

人生は分からないものだと、いつも痛感させられる。

結婚して家や店を持ち、京都で骨をうずめるのだろうと10年くらい前までは思っていた・・・・・。

思えばタイに初めて来たのは僕が20歳そこそこ、その頃は、誰もタイのことは知らず、タイと台湾の見分けがつかない人が多かった。

そのタイで自分が今、バイクに乗って走りまわっている姿を客観的に見てみると、何か不思議な気持ちになる。 

数十年前までそんな姿は微塵も想像できなかったのに。

おまけに世の中で信用できない先生という立場で仕事をしている。

商売ならお金を貰ったら「ありがとうございます」だ!!がしかし、代議士、弁護士、何とか士、医者、師匠、などの先生と呼ばれるすべての職業において、金を貰うと言うことは、あげた方の人間から感謝されると言うことである。

商売と違う次元か??いや、同じだろ!!

それで生計を立てているのはみんな同じだ・・・・。

“金を貰って感謝される“、そういうところに先生と呼ばれる人たちは麻痺していく。

自分は偉い!崇高だ!というような勘違いをしていく。

昔からこの先生たちを疑い、「信用できない!まやかしだ!」と思っていた。 

僕は今その職業を選んで先生と呼ばれている。皮肉で滑稽な話だ。

そしてそう呼ばれることが少し恥ずかしい。

十数年ごとに激変する自分の人生、そのシチュエーションはまるで行き先の分からない船に乗っているかのようだ。

\いつも思い描いた人生になかなか到達できないのがもどかしい。

先生と言われるより、本当はTeacherと呼ばれたほうがいい。

”教える人”の方がしっくり来る。

収入はまだ安定しているとは言えないし、タイで仕事をしている日本人としての収入は下のほうだが、バイクにまたがり家からプライベートに学校に飛びまわっている。

この仕事に就けて半年以上過ぎようとしているが、教師としては、まだ半人前だ!!

と言うかこの年になっても人間としても半人前なんだが・・・・。

DJとジェダイ

今、何人かの生徒を持っているが、まさに人それぞれだ!

飲食業のときもアルバイトを雇っていて、そう痛感した。十人十色!!

勘のいい頭のいい生徒、勘の悪い頭の悪い生徒。

固定概念を持ちすぎて基本的なルール的なことを受けいれることが困難な人。

恣意的に作られている言葉の説明はできないからだ。

しかし、一番大変なのはやる気がないのが厄介で教えづらい。

11歳のジェダイと13歳のDJ、この兄弟は兎に角、大変だった。

こう言う時期の子供の気持ちは良く分かる。良く分かるが、勉強をさせなければならない立場から言うと非常にやりづらい。

僕が二人を見る限り、二人とも日本語や日本に対して興味は持っている。

勿論、世界的にポピュラーであるナルトとかの日本の漫画も好きだ。

しかし、自主的に勉強したいのではなく、親に行かされて来ているのが、彼らの態度から読み取ることは難しくなかった。なぜ、勉強しないか?・・・・・

それはお互いにカッコをつけている。13歳の兄ほうは日本語に興味があるが、まじめに勉強する態度を弟に見せたくない。 

悪びれてみせることがカッコ良いってことなのだ。弟はあまり勉強したくないが、兄よりも勘がいいから、遠慮しワザと悪びれて勉強しない。

兄のことを気遣っているようだった。

はじめは興味のありそうな題材で勉強させようと頑張ったが次第に・・・・

クラスが始まって10分も経たないうちに“後何分?”と言ってくる・・・・

"後何分?”攻撃は毎15分ごとに繰り出される!!

少し教えては、携帯をいじりだす、そしてトイレ!勉強にならない。

僕もこんな子供だったので、この子たちの考えや行動は手に取るようにわかるが、こう言う状況は教える側にとってストレスになる。

ストレスになるから教えるのを止めるときもあった。

何も言わず、教案を作ったりした。

一度この状況に陥ると子供はどんどんエスカレートする。

結構な音で動画を見始める、静かに見るように注意はするが勉強は無理にはさせない。

ある日、僕は彼らに本心を言った。

「君たちが勉強しようとしまいと関係ない!教師はここにいるだけ金になる!でも、こんな状況はお互い退屈だろ?本当は勉強が好きなんだろ?だったら勉強をやったほうが楽しいと思うよ」と・・・・・

授業料も安くないし・・・・と言おうとしたが言わなかった。

金のことを言っても富裕層であるこの子たちには響かないからだ・・・・。

微妙な年齢の子供を教えるのはマジで嫌だ。

が、僕にそういうやりづらい子供たちが回されてくる。

やりやすい素直な子供はレギュラーである教師が優先しているようだ。

割り切って生徒をカスタマー扱いで、好きなことをやらせるのがいいのか?

それとももっといいほうがあるのか?

いづれにしても極論を言うと、習い側の気持ち次第だ。

やる気の無いやつは教える側はどうすることも出来ないと思う。

習う側の“やる”と言う意思が伴わない限り、上達は決してしないだろう・・・・

と言いながら・・・・・・背に腹は変えられん・・・・・

新たに10歳チーターと12歳プーンの兄妹も引き受けてしまった。

この子達もこの手のイマイチやる気のないタイプ、特に妹・・・・

以前、ピンチヒッターで授業をしたことがあったが、この子だと知らずに受けてしまった。

80時間もある、どうしよう・・・・・?

 

せやかて 子供はあんた(学校)にいややとゆうたやんか!

エミリー

エミリー13歳は、タイで生まれた台湾国籍の子供で、母国語はインターナショナルスクールに通っているせいで英語。家では中国語。タイ語は話せない。

幸か不幸か英語が話せるから僕に仕事(処理)が回ってきたのだ。

この子も親に行かされて勉強させられているくちで、やる気が感じられない。

学校で日本語が必須なため、仕方なくやっている。漢字もその学校で習っているが、僕から言わせるとそんな段階ではない。基本的な動詞も、助詞も頭に入っていない。

使っている教科書も良くない。これでは駄目だと思ったが・・・・

媒介語を使うこと

しかし、エミリーは基本的に悪い生徒のほうだ。彼女に対して英語を多用し説明したのは良くなかった。

今になっては、極力英語を話さないほうが良かったと思う。

彼女は英語に頼って英語で頭で理解しようとしてしまった。

だがら、日本語の文が全くイメージできなくなっている。

頭の中が英語だらけ、日本語が入る隙が無い。

媒介語を使うことは教師にとってやりやすいことだが、時に生徒にとっては勘違いや、その日本語の文脈をイメージできなくしてしまうかもしれない。

日本語だけで教えるのは大変だから勘の悪い生徒には楽な方法を取ってしまう。

たぶん継続して授業を取らないだろう・・・・・?

いや、そう願う・・・・・が残された授業はあと少し!

少しでも日本語が好きになるように教えていこう!

そして、極力日本語だけを使うことを心がけていこう・・・・・

 

せやかて やっぱり子供はいやや!