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ミュージシャンとして3

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松山千春フリークのシンガーソングライター

今、思えば苦くそして後悔の念でいっぱいだ・・・。

松山千春フリークのシンガーソングライターのバックでの本番のプレイは、悪夢だった・・・。

そのシンガーも事務所との契約をしていたと記憶しているが、名前も詳しい経歴も忘れてしまった。

と言うよりも、その過去を記憶から消し去りたいと言う気持ちが、宣言的記憶からその回路を遠ざけたかもしれない・・・

しかしながら、あの悪夢のシーンは深く長期記憶に刻まれてしまったのだった。

フォークなんて嫌いだ!!

所謂、彼はデビュー前の金のタマゴだった。(事務所的に・・・)

彼は上手く、声も曲作りも松山千春に酷似していた。

松山千春、かぐや姫、アリスなどのフォークソングは演歌に通ずるものがあり、特にマイナー調を主体とした曲は日本的な寂しいメロディーとそのドミナント7のコードの使い方は、貧乏クサくて思えて大嫌いだった。

時代は80年代、ウエストコーストの音楽が流行していた。

その中でも惚れた晴れたの能天気ソングが好きであった。

自己分析はやはり最悪!!

しかし、今回はリハもギャラが出る!Mちゃんバンを一緒にやっていたキーボードに誘われて、そのフォークのシンガーソングライターの仕事を請け負った。

嫌だとは言わず、これもひとつのステップにして、経験を積んで上を目指そう!と志を持った反面、どこかでナメていた。僕の性分の悪さがそうさせた。

視野が狭い世界の中で生きている人間は、自分自身の其の短い物差しで物事をはかり、良し悪しを判断する。

自分の思考に合わないことや自分のテリトリー以外のものに対して拒否反応を示したり、それを認めなかったり、馬鹿にしたりするケツの穴の小さい人間である、素直ではないのである。

僕は正にそれだった。

心の中でつまらない音楽をするなんて・・・・と言う気持ちが、どこかで必死さとか、一生懸命さを欠き、マイナスの結果につながったと自覚している。

思うようにプレイが出来ない・・・

今までは好きなようにアレンジし、得意なことさえやればよかった・・・。

が、今回は先輩のベースのFちゃんがバンドマスターになった。

彼と僕のテクニックや音楽的スキルのレベルの差は大きかった。

おまけにギターのアレンジまで彼は指定してくる・・・

勿論、全体のアレンジも指定したが、キーボードや他の楽器のアプローチまでは指定しなかった。できないことを要求されたのだ。

Fちゃんことバンマスは大阪で色んなバックバンドを経験していた。

Mひろし、Nけんじ、お笑いのH寛Pなど・・・。

いいとこみせて今後の仕事に繋げたいところだったが・・・。

思えば思うほどリハでも緊張し、上手くプレイできない。完全に萎縮してしまった。

が、楽天的な性格の為、仕事以外はスイッチを入れ替え切迫感ないの時間をすごした。

つまり必死に練習もせずに怠けていた。

あぁ、やっちまった・・・

本番は近鉄小劇場だった。

仲良くしていた僕のアイドルの先輩ギターリストWくんが、本番見に行くといった。

僕は緊張するから来ないでくれ!と嘆願したが、期待とは違い彼は見に来てしまった。

普段、リハでも緊張しているのに憧れのギター弾きも来る・・・あぁ・・・緊張は倍増!!!

しかもステージから顔の表情がはっきり分かる位置にWくんは陣取っている。嫌がらせ?? なんて思った・・・。

最初の何曲かは無事に終った。

次は不得意なあの3連の曲だ!!どうかクリアーしてくれ!神に願って・・・。

あのフレーズ!!

その一瞬、3秒手前でWの顔を見てしまった、とたん・・・・あぁー失敗!!

よせばいいのに・・・またWくん顔を・・・・表情・・・・・厳しい眼差し!

よせばいいのに・・・・Fちゃんのほうもチラリ・・・横目で冷ややかな表情だぁ!!!ヤバイ!!

良いとこを見せようとすると緊張し、失敗できないと思えば思うほど萎縮し失敗する、失敗すればするほどドツボにはまる・・・・・

頭は真っ白・・・。また不得意なAフラットの曲だ!!

Aフラの曲なんてこの曲ぐらいしか知らない。

僕は気がつくとAのスケールでギターソロを弾いてしまっていた・・ポップな曲の感想がフリージャズ的な!!

無理やり最後まとめたが誰が聞いても分かるミスだ・・・。

フォークシンガーも我慢できず、こっちを振り返って睨んだ。

ライブ終了、僕に対するすべてのスタッフ、音響、照明 冷ややかな態度だった。

そうされることは当然だ。遊びではないのだから、プロとしては最悪だった。

アマチュアレベル以下だった。

打ち上げもなし・・・。あったとしても、どの面下げていけばいいのか、分からなかったんだが・・・?いけなかったんだが・・・。

そのシンガーには本当に悪いことをした。晴れの舞台をサポートできなくて申し訳なく思っている。

これは今でも思い出したくない思い出ひとつだ・・・。

これも、そもそも誰のせいではなく、すべて自分が悪い。自分が蒔いた種、自分自身プロとして金を貰うということの意識の低さがそうさせたのだ。

本当にごめんなさい・・・。