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長期旅行 インド偏

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バスでカトマンズからダージリン

単独での旅はこれが始めて、友人MとCと別れて、バラナシーで再び会う約束をした。 今までは旅行慣れしているMに頼っていたが、とりあえずバラナシーまでなんとか一人でたどり着かなければならない。 一人旅という響きは心地よかったが、一人の不安を払拭できないままダージリン行きのバスに飛び乗った。 しかし、これからが大変だった。バスは無論、定員オーバーだった。ギュウギュウ詰めのバスの中は快適とは決して言えない。 座席はなんとか確保できたが、何時間この状態が我慢できるか不安で一杯だ。 案の定、市内を出たとたん、デコボコの道で乗り心地はUSJのアトラクションそのものだ。 おまけに大音量でインド音楽を流してお香をたいている。この類のアトラクションはUSJにもディズニーランドのも無い。 少し長いが、名前をつけるなら「国境越えデンジャラス・日本では絶対に車検が取らないバス・ライド」だ!!座席から自分の臀部が離れるのが分かるぐらい何度もジャンプをするのだ。10回に1回は5センチから7センチは座席とケツの隙間を作っていたのだから、おちおちと寝ては入られない。もしも、この旅で命を落とすなら、バスに乗っているときが一番確率が高いと確信した。 夜が深まるにつれて気温はどんどん下がっていくし、砂埃の量も尋常じゃないぐらい窓から入ってくる。寒さと埃で窓を閉めようと思っても窓にガラスが入ってない。 道中で入れるだけどんどん乗客が乗ってくる。途中で何度か休憩があったが、店員オーバーの車中は降りたくても降りれない。乗り込むときに水を買い忘れた。のどが渇く、短いバスの休憩中に降りれないから窓から熱いチャイを頼む、素焼きの器に入れたチャイの量では喉を閏わすには少なすぎる・・・炭酸系が飲みたい・・・冷たいコーラーが飲みたい・・・・腹は空く・・・晩飯は食ってない・・・・休憩でサモサを窓から買う・・・中身はジューシーさとは程遠いスパイスの効いたジャガイモだ、水無しでは飲み込めない、モサモサするからサモサのかと薄らぐ意識の中で考た・・・・なわけ無いだろうと、一人で薄ら笑い・・・水が欲しい・・・冷たい・・・清潔なミネラルが入っている水が・・・・口の中は埃のせいでジャリジャリいっている・・・・水が欲しい・・・・眠気で目が開けていられない・・・眠りに入る・・・・・10回に1回のジャンプで頭を打つ・・・目が覚める・・・・これが噂に聞いていた悪夢なのか!?しかし、最後はジャンプも大音量のあの音楽も気にせず眠っていた。

 

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国境スリグリで浦島太郎になる!

 

朝起きたら国境まで来ていた。バスから降りて伸びをしたときは独房から出てきた囚人のようにだ。そんな経験は勿論ないが開放感と少しの幸せを感じた。腹は究極に減っているはずなのに昨日の揺れと疲れで何かを口にする気がしない。口の中もジャリジャリ間は否めない。 顔を洗おうと水を買った食堂のトイレに入って自分の姿を鏡で見た。そこには真っ白けの顔に白髪の老人が映っていた。ついに見てしまったか?幽霊!こんな辺鄙な場所で!!しかし霊現象などではなく、玉手箱を開けた浦島太郎ではなく砂埃で真っ白になった自分自身だったのだ。まさに頭と顔に砂埃が薄っすらコーティングされていて笑うと深い皺ができ少し崩れて落ちるほどだった。国境越えはバスに乗ったままではなく徒歩で橋を渡りインド側の待ち受けているバスに乗り換えをする手はずになっている。 誰も連れはいなかったが、橋の真ん中で体の右半分はインド、左半分はネパールと若ければ誰でもするようなことを一人で一応やった。「はい、右はインド、はい全部インドで又戻って全部ネパール!」と言う具合だ! 日本に居ると外国に行く時は飛行機か船で国境を越えを実感することができないが、徒歩での国境越えはとても新鮮で実感を覚えることができた。

 

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そして第一関門のインドのイミグレーションに・・・・

 

発展途上の国での生活や移動は毎日が戦いである。 イミグレーションは昔で言う関所だ!そして、入国は第一の関門なのだ。 簡単な入国審査なのだが、いかにも悪そうな顔をした役人二人が案の定、金の要求をしてきた。 英語は得意ではなかったが、役人たちが言ったそのぐらい英語は理解することは容易だった。こいつらに1ルーピーを渡してたまるかと思い、まったく分からない振りをして乗り切ろうとした。 要求されるたびクビをかしげる・・・・話さないでアホになって相手の意欲をそいでしまおう作戦だ!!何度かのやり取りの後、凄い日本語英語でアイ ドント ノー、ノーイングリシュ、を言うと、其のインドの役人は首を横に振った。馬鹿に何を言ってもしょうがない時間の無駄を感じさせられて、やり過ごすことができた。 良し!作戦成功だ! 

 

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先輩

国境を越えてダージリン行きのバスが待っていた。其のバスには旅なれた日本人バックパッカーKさんと同情することができた。 聞けば彼は15歳年上でチベットからダージリンにぬけて来た兵で1年半旅に出ていると言うではないか。 アジアを回るのもこれが初めてじゃないとか・・・・そして久々に日本語を話したとか・・・・其の響きかっこいい!と思った。 頭の良くない僕はいつか其のフレーズを誰かに使ってやろうと思った。 彼は大阪人ではなかったので彼の素性はこちらが聞かなければ話さないようなもの静かな人だった。 初めての一人旅では彼と一緒にいれば心強く思った。どんな理由があるのか知らないが、40歳以上の大人が一人で旅をすることは僕の狭い価値観の中での常識に当てはまらず少し驚いた。 バスの座席は彼とは別々だったが、休憩のたびに少し話ができ、多少、旅の情報を入手できた。 悪路を走り、山道を長時医間にわたり走りダージリンについたのは夜の6時だった。しかし、まだ夜の6時なのにもかかわらず殆どの店は閉まっていて両替もできないし晩飯も食えない。ミスターバックパッカーkさんはインドルピーを持っていたので、少し借りて山の上にあるユースホステルに泊まるりことにした。 YHまで長い道のりはちょっとしたトレッキングで疲れた体に鞭を討つようだった。 幸運なことに途中の屋台が開いていて覗き込むと赤いコロッケのようにものをが売っていて、十分な金がなかったが、空ききった胃にその辛いインドコッロッケを2つだけ入れることができた。そのミニトレッキングのあと、チェックイン・・・・ドミトリーに泊まる・・・そして、熱いシャワーを浴びた。 幸いケツの出血は止まっている。 山から下りて町の診療所貰った薬が効いている。 あの日は、快晴だった・・・・よく見えるように両手でケツの穴を見せるように指示された・・・こう言う事は普通立って見せるものなのかと思いつつ、その診療所の威厳のある物静かな医者に恥ずかしながらみせた。 僕は答えを待った・・・医者は遠くの澄んだ空の下のヒマラヤの山々を其の目を薄く開け見つめていた。 リアクションはそれだけか!?僕はまだケツを開いている・・・答えをくれ!!医者はもう一度山を眺めている!何者だ貴様!!と思い、痺れを切らした僕はケツを開いた状態で物凄い日本語英語で・・・ギブミー グッド メデスン!!と叫んだ! 威厳ある医者は山を見つめ、目を細めた瞬間、薬の名前を看護婦に静かに告げた・・・・その薬が効いているのだ・・・出血もなく無事に風呂から上がって、ミスターkの持参している湯沸しコイルで作ったコーヒーをいただき、その日はノックダウン、9時前には深い眠りについていた。

 

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